人材育成をするのはとても難しいです。自分自身がどうやってここまで来たのか振り返ってみると意外と忘れていたりするものです。

自分がこうやって育ってきたからとそれを部下や後輩に強要してしまったりする人もいるでしょう。そのやり方が正しくないとわかっていたとしても。

ディズニーランドの従業員は9割近くアルバイトで構成されています。それにもかかわらずあの高いクオリティーを出せるのはなぜでしょう?

なぜディズニーのキャストは楽しそうに仕事をしているのか?なぜディズニーは常に高収益を上げ続けているのか?

それにはディズニーの人材育成がキーワードになります。今回はその3つの具体的な方法をお話ししたいと思います。

従業員満足度(ES)を高める

従業員満足度(ES)を高めるというものがあります。

従業員満足度とはその名の通り、働いている従業員が仕事や会社に対して満足している指標のことをいいます。

反対の言葉は顧客満足度(CS)といいます。この二つはよく自転車の両輪に例えられます。

「会社に行きたくないなぁ」とか「仕事がつまらない」といった気持ちや言動は、従業員満足度が低い状態になります。特にディズニーのようなサービス業は従業員のモチベーションがサービスの質に直結します。

そういった状態では、良いサービスを提供する事ができず、結果として顧客満足度も下がる事につながるからです。

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価値観の共有

ESを高める際に必要なのが、キャスト同士で目指すべき方向や価値を共有することです。

ディズニーは、理念である「ゲストにハピネスを提供すること」という価値観をキャスト全員が共有しています。

ディズニーに行けば分かりますが、どのキャストに質問してもパーク内の情報を的確に答えてもらえます。

通常、仕事は分業しており他の施設のことを質問しても、「私は担当ではないので…」とお茶を濁されてしまうことがほとんどでしょう。

なぜそのような事が出来るかといえば答えはシンプルです。キャストたちは、すべてのパレードやショーを鑑賞し、あらゆる商品やメニューの試食をしているからです。

だからどのキャストに聞いても的確に答えてくれるのです。

例えば家電を購入して、メーカーに問い合わせの電話をした時に、色んな部署をたらい回しにされたりして、対応が悪いと嫌な気持ちがして顧客満足度も下がってしまいます。

ディズニーは最高のサービスをお客様に提供できるように、全キャストがパーク内の事を熟知しているのです。

後輩や部下の指導法

過程を評価する

ディズニーの指導法の一つに、成果ばかり見ずに、仕事の内容を見るという方法があります。

例えば、「君の〇〇なところが成果につながったね」などキャストの姿勢や仕事に対する取組みを評価します。

成果ばかりを評価していると、とげとげしい雰囲気の職場になってしまいます。

また部下も自分の事を見てくれているんだと考え、上司に対する信頼感も増します。

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そのタスクをする理由を伝える

仕事をする時は必ず理由を伝えるようにしています。

たとえば、カストーディアル(清掃業務)では、次のような指導をしています。

「立つ時はできるだけ、肩・腰・膝・くるぶしが一直線になるように立ちましょう。そのほうが体に負担がかかりません」このように理由を伝えるのと、伝えないのとでは大きく違います。

伝えないと相手のとらえ方次第で色々な解釈が出来てしまいますし、中には反発する部下が出てくる事もあります。

人気のない仕事であってもその仕事の重要性を繰り返し伝えることで、部下や後輩の気持ちも変わってきます。

「これはとにかく大切なんだ」「いいからやりなさい」という指導では聞いている方も怒りがこみあげてくるかもしれません。

キチンと納得する理由を伝える事でしっかりと理解し価値を共有する事になります。

おわりに

仕事や家庭で部下や子供を育てる事はとても大変です。ディズニーの人材育成法は、私たちの生活にすぐに取り入れる事ができます。

ディズニーの理念「ゲストにハピネスを提供すること」を私たち目線で実践する事で、仕事で部下への指導であったり、家庭で子育てに活用することができます。

さらに大きな視点で社会に広がっていけば、もっと住みやすく良い社会になり、私たちの生活を豊かにしていくものになるでしょう。

まずはディズニーの人材育成方法で実践できることから少しずつ導入していきたいです。