自分の頭で考えるって口では簡単に言えるけれど、実際にやるのはとても大変です。
今までの自分を振り返ると、自分自身で考えて実行したこと、独自の観点から行ったことってどれだけあるでしょうか?クリエイティブな仕事をしていたとしても、すぐに前例や他の仕事を見て、真似て、要はパクって何とか凌いできました。
なぜ思考停止して考えることを止めたのか
この年齢になって何かのせいにするつもりはないのですが、自分の生い立ちを振り返ってみると、敷かれたレールの上を歩いている方がはるかに簡単なことだったということがわかります。
親の言われた通りにやる。
学校の先生に言われた通りにやる。
コーチや監督の言われた通りにやる。
上司や先輩の言われた通りにやる。
途中の方法論とかは自分で調べたりしますが、ゴールは他人が設定してくれています。
最短でゴールを見つけるには、自分の主観は捨ててひたすら技を覚えることが手っ取り早いです。
ただ、そうやってずっと生きていくと試行錯誤していくのが苦痛になってきます。
私は昔から何かにつけてすぐに答えを知ろうとしていた。それが最短でゴールにたどり着けると思っていたからです。この場合はこうなるっている直線的な思考パターンしかできなかったし、それが正しいと思っていた。知識と思考の違いを理解していなかった。
いま、私は苦労しています。考える習慣を身についていない私は非常に苦労しています。
思考停止のマニュアル人間から先に進めていません。
考える作業は嫌いだった
小~高校、大学受験期
私は算数や数学の時間に特に考えることもなく、すぐに答えを開いてわかった気になっていました。公式や定理定義は覚えるのでしょうが、答えを覚えてから問題を解いていたのです。
単純な計算問題だったらそれでいいだろうけれど、ちょっとひねった問題になると全く答えることができなかった。
それでいて、応用問題をどのように解くかの分析もせず、ただ解法だけ覚えてわかった気になっていた。
大学ではどうだったか
私は大学で法律関係の学部だったのです。
テスト対策として大学の講義中に、ただひたすら判例や学説を暗記していました。
その時の気合と根性は素晴らしいものがあると思う。でも、今それを活かせているでしょうか?
確かに丸暗記で単位は取得できたけれど、その思考プロセスを身に付けることはできませんでした。
今でこそ法律の読み方や解釈の仕方を仕事で使っているので何とかなっていますが、大学の時に勉強したはずの知識や考え方がすっぽりと抜けているのです。
働き始めてからもそうだった
そんな私も無事に就職することができました。
仕事を始めて会計学や経営学、マーケティングについて勉強するチャンスがあったのです。
会社からの業務命令だったけれど、私はそれを丸暗記でやり過ごしたのです。
フレームワークとかも覚えたけれど、実際に使うことは無かった。マッキンゼーとかでもよく使う、自己啓発本にもよく出るような思考整理のフレームワークです。
きっとこれをしっかりと身に付けていれば、今こんなに苦労はしていないでしょう。思考プロセスも明確になるので、自分の意見も整理しやすいし、相手に伝えるときだって簡潔で論理的にできます。
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ここ数カ月はブログを書くという趣味ができて、何かしらのトピックから自分の考えとかを作り出せるようになりつつありますが、これがまた難しいのだわ。
先輩ブロガーや超有名どころのブログを見てみると、なんでこんなに鋭い意見が書けるのかと感心しきりなわけです。
そこで私は考えました。
・すぐに答えを知ってその通りにしかできないようだと思考停止状態になっている。
・答えを知ればできた気になれるけれど極めるまではいかない。
最初のとっかかりはマネというか答えをすぐに知ることでいいんだと思います。先人の知識を利用することは間違っていません。でもそれだけだと何も生み出せないんです。
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重要なのは知っていることと自分で考えたことやこれからやろうとしていることをごちゃごちゃにしないこと。知識を得ることだけが目的じゃないということ。知識を得ただけで満足しないこと。その知識の補強をできるようにすること。
どうしてその答えに至ったのかを自分で考えてみないと自分で考える力はつきません。全部「ふーん」で終わり。そこから、「どうしてそうなったんだ?」「だからなんなの?」っていう疑問が出てこないと、思考停止状態で言われたことを言われたままやるような仕事しかできなくなってしまうのです。
以前の私は思考停止状態で仕事をしていました。すぐに先輩に答えを聞いて、言われた答えのまま仕事をして、なぜこういうことをするのかを考えようともしていませんでした。そこには自分の意見は存在しません。考えていないのですから当然です。
こういう生活をしているなかで一番困るのは「君はどう思う?」と意見を聞かれるときです。これは本当に困る。思考停止しているのだから、どう思うも何もない。ニュースの感想でもなんでもいいけれど、自分はこう思う、こう考えるっていう自分の意見が作れない。
なぜこういう答えになるのかを自分で考える癖がついているならば、そこで培った思考力を使うことで瞬間的に自分の意見を組み立てることができる。
会社の経理関係の仕事をしていると、この経理処理は税務上どうなの?って疑問が何度も出てきます。その時に、解説書でも開きながらこれは条文のこの規定があるからこの処理が適切です。判例でもこの事例にこの要件が一致しているので同様の判断になるでしょう。とまで調べて処理していくと、自分で調べた自分の考えとして身に付けることができます。
説得力も全く違いますよね。根拠を調べて自分で考えた結果こうなりましたっていうのと、「○○先輩が言っていました」っていうのは受け手の印象も全く異なります。
経理とかならまだ答えが見つかりやすいですが、これが人間関係や交渉事であればどうでしょうか?正解のない世界で答えを求めても見つかることは無いのです。
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右も左もわからない状態であれば、まずは答えを知ってとにかく行動することの方が重要です。でもそれは本当に初期の時だけです。
その答えを呼び水にしてほかの経験を身に付けることができるでしょうか?
その答えが頭の中にこびりついて、固定観念として悪影響を与えたりしないでしょうか?
それを踏まえながら試行錯誤していくと、自然と考える力って身に付くんじゃないかなと思います。
知識や解法を覚えることは悪いことじゃありません。あくまで武器であり、ボスを倒すための道具に過ぎません。
私の弟は数学などの理系科目が得意でした。同じ環境で同じ高校に行っていたのですが、私との差はかなり開いています。弟が言っていたことです。
「方程式を覚えることはRPGでいうところの武器や呪文を覚えることと同じ。でもボスを倒すために、その武器や呪文をどのタイミングで使うかは自分で考えないといけない。ボスが強くなればその分武器や呪文の数も増えてくるし、組み合わせるパターンも増えてくる。数学も似たようなもん」
だそうです。弟はゲームばかりしている印象がありました。おそらく単純な勉強時間だけだと私の方が多いでしょうね。それでも弟の方が成績は優秀でした。
学校の数学もパターンの暗記って言われがちですが、レベルの高い人からすればしっかりと考える対象のようです。自分が持っている知識をどうやって組み合わせていくかを考えていけば、解法パターンをすべて覚える必要はないのです。
同じ問題を解いていても考えてきた人と、答えだけ求めてきた人ではレベルが全然違うなって今になって思っています。
思考停止状態になってしまっている人の特徴
思考停止してしまっている人とは、自分の意見が少なく他人にすぐ流されてしまったり、慌てて自分の頭の中の考えが追い付いていない人のことを言います
様々な状態で「考えること」ができていないので、応用力がなく、何かが起こったら自分で問題を解決することができないのです。意見を求められたり、好きにやっていいよと言われると困ってしまいます。
思考停止している人の特徴をまとめていきます。
情報を入れ過ぎている
情報を入れすぎているとはどういうことかというと、「わからないことがあったらすぐにインターネットや辞書を使って調べたり、すぐに人に聞いている」のことを言います。
それだけなら、自分で調べているからいいのではないか、と思うかと思うかもしれませんが、問題は調べて満足してしまうことです。調べてその場では解決するのですが、なぜそのようになるのかという思考プロセスを挟まずに正解にたどり着いてしまうため、自分の中で経験値になりません。
なぜかわからないけれど完成した
偶然の勝利からは何も学ぶことができないのです。
答えが明確なものならいいのですが、正解のないもの(人間関係や営業方法など)であれば、正解をすぐに調べることができません。結果、1つの情報では安心できず、複数の答えを見つけようとして、たくさんの情報を求めます。
すると、頭のなかでその情報を整理することができず、その情報に関して考えがまとまらずに、方向性を見失ってしまうこともあります。
知識量は多いかもしれませんが、実際の経験や試行錯誤をしているわけではないので薄っぺらくなってしまいます。
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みんながやっているから自分もやる
「自分の考えを持っていない人」でしょう
流行に敏感、と捉える人もいるかもしれませんが、みんながやっているからやるという人は他人に流されてしまいがちです。
自分で何かを決めることが苦手で、自分が興味や関心があることも特になかったりします。
意見を求められても、他の人が言っていたような発言をなぞる程度のことしか言えません。
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考えが堂々巡り
何度も考えても同じ結論に至っている人も、思考停止している人の特徴です。
固定観念に縛られてしまっているために、課題に対して、何度も同じ答えしか返ってこないのです。思考プロセスの幅が乏しいため、何度考えても同じルートを通って同じ答えに行きつきます。
視点を変えたり、順番を変えたりするだけでも違った答えが出てくるかもしれませんよ。
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ネガティブ思考
思考停止をしている人は、ネガティブな思考の人が多いです。思考停止しているからネガティブなのか、ネガティブだから思考停止しているのかはわかりません。
ただ、思考停止状態になってしまうと、自分の意見を伝えることができなかったり、頭では感覚としてわかっていても実際の行動にどう反映させていけばいいのかがわからなかったりします。
考える力を持っていたとしても、常に不安や恐怖を抱えているので、トラブル等が起きたときに冷静になることができずに思考停止してしまい、対応することができません。
自分の経験に依存している
自分の経験に依存している人は「あのとき〇〇だったからこうするべきだ」という、ある種の固定概念にとらわれている人のことを指します。
そして、その「こうするべきだ」という経験がトラウマのようになってしまい、行動や考えがストップしてしまうことがあります。これは成功体験でも失敗体験でも同じです。
過去の経験に依存してしまうと、新しく自分で考えることができずに思考停止してしまうのです。成り行きに任せたり、別の視点で物事を考えてみるとトラウマも乗り越えることができます。
すべて大切だと思っている
持っているもの考えられることすべてを大切だと思っている人は、思考停止状態にあるかもしれません。
自分の中で優先順位をつけることができないのです。「あれも大切、これも大切、こっちも大切、どれから手を付ければいいかわからない!」となってしまうと、そこから先に進めません。
受験の時など解法パターンをすべて丸暗記しようとしていた人は思い当たるところがあるのではないでしょうか。
全部やろうとするとかえってドツボにはまってしまいます。
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疑問がわかない
思考停止している人は「なんで?」と考えないことがあります。
疑問をもつことは、問題解決をするためには非常に大切なので、疑問をもつことができない人は、問題解決に至る能力が低くなってしまいます。
日常は大なり小なり問題や課題解決の連続です。毎日起きている中でも漠然と生きていると、疑問を持つきっかけが少なくなってしまいます。
疑問に思わないということは解決策も思いつきませんものね。
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質問の仕方を変えると考える力が増す
現状維持が好き
環境が変わることをおそれて、現状維持を望む人も、思考停止する傾向があります。
環境が変わるということは自分の生活スタイルや行動パターンが変わるということです。変わった後の自分を考えることが怖くて、新しいことに挑戦できません。チャレンジすることは自分の経験値になるのですが、それを恐れて逃げてしまうと選択肢の幅も深みも無くなってしまいます。
いざ環境が変わった場合も対応するには多くのエネルギーが必要になるでしょう。
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おわりに
思考停止をしている人のまとめを見返すと、「考えることをやめている」というのが共通点として挙げられます。
何事にも、まず考えてみるということは、普段の生活の中でも実行可能なことです。思考停止している特徴に当てはまった場合、当てはまった項目について、自分の行動を思い返して、改善へと向かうことが大切なのです。
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[…] そもそもすぐに答えを知りたがるようでは思考停止している証拠ですから、部下や後輩育成のためにも考えさせる・調べさせることは大切です。 […]