家計簿を付けましょうとこのサイト内で案内していますが、家計簿にもいろいろあります。毎日きちんと記録していくものから、大雑把にこの支払はこれとか、おこずかい帳のように収入と支出を記録するだけものもまでかなりの種類があります。

初心者の方は簡単な内容の家計簿でも十分です。まずは記録を取り、それを継続し続けることが一番重要です。

このページは私自身の家計簿のつけ方とその考察についてです。

※ご注意
・私は元会計事務所職員で簿記や会計知識はある
・この家計簿方法は勉強が必要になる
・勉強なんて嫌だという人にはお勧めできない

以上を踏まえたうえで、こんな方法もあるんだなぁと読み流していただいて構いません。

 

決算書というものがある

決算というとその時期の売上や経費を確定させてその期間の業績を集計することなのですが、この時期は決算セールなどで最後の追い込みをかける企業も多いと思います。その時に集計したものをさらにまとめたのが決算書なのですね。

決算書は貸借対照表と損益計算書に分かれています。本当はもう少し種類がありますが、一般的にはこの二つを把握していれば十分でしょう。

大雑把な説明で恐縮ですが
貸借対照表・・・資産や負債・純資産を表すもの
損益計算書・・・収入や支出、利益を表すもの

これを決算書という形で作成するのです。
日々の取引(収入がいくら、この支払いをしたなど)を記録してそれを集計していきます。

会社や個人事業主の方はご存知かもしれませんが、世の中には会計ソフトという決算書(貸借対照表・損益計算書)を作るソフトウェアがあります。もちろん紙のノートに記録したり、エクセルで集計したものでも作成は可能です。

決算書というと、税務署への確定申告のためだったり、金融機関にお金を借りるために作ったりと外へ提出するために作るイメージがあるかもしれませんね。税務署や金融機関に提出したら、自分で内容を振り返ることはあまりないようです。私の前々職時代の元お客様達は自分の会社の決算書にあまり関心が無いようでした。

決算書はその会社や事業主の通信簿のようなものです。これに関心が無いということは自分のビジネスに関心が無いのと同じです。小学生の時、個人差はあるかもしれませんが通信簿もらったときに内容をみて一喜一憂していたと思います。それは自分がその期間にどのような評価をされたかの結果ですから関心が無いわけがないのです。ですが、大人になるとなぜかそれも薄れてくるようです。

家計簿は会計ソフトを使って記録する

私は会計ソフトを利用して家計簿をつけています。自分の生活を決算書にまとめているのです。決算書はなにも会社や事業主だけのものではありません。

私はある日、前々職時代のことです。お客様の決算書を作りながら、「お客さんに収支説明や資金管理を指導するのだから自分の資金管理ができないと説得力無いよな」とそう思いました。思い立ったが吉日ですので、その日の仕事帰りに会計ソフトを購入し、自分の資産負債状況や手持ちのお金を記録し始めたのです。

会計ソフトそのものは事業主用に作られていますので、勘定科目を家計簿用に変更しました。食費や娯楽費、医療費などを科目に加えました。
日々の伝票仕訳に記録をしていきます。そうすると自動で集計されていくのです。

銀行口座の残高やお財布の現金残高を合わせて、レシート情報を入力していくのです。

これを繰り返していくと決算書が完成します。

私は初期設定時に、自分の貯金以外にも借入の残高もすべて記録しました。

会計ソフトで家計簿を作ってわかったこと

会計ソフトを利用することで、自分の収支以外にも借金がどのくらいあって資産がどのくらいあるのかがすべてわかります。私が最初に記録をして思ったことは借金が480万円もあったことです。これには驚きました。

借金の内容は奨学金(日本学生支援機構)からのものと親からお金を借りたものです。ですので金利という面ではあまり心配はありませんでした。しかし、決算書上では「債務超過」の状態になります。
※債務超過とは簡単に言うと、資産よりも負債の方が多い状態のことを言います。内容によっては倒産とかいう話になるのです。

破産する必要はないので、このまま返済を続けていくのですがこの「債務超過」状態を一年でもはやく解消したかったです。その時から自分の資金管理ができるようになりました。

会計ソフトで家計簿を作るメリット

クレジットカードを利用してもそれを記録することで返済額を把握でき散財しないようになることです。クレジットカードは手持ちの現金が無くても買い物ができる便利なものです。使えばポイントも付くので私は積極的に利用しています。しかし、クレジットカードはあくまで借金です。打ち出の小槌のようにお金がポンポンと出るわけではないのです。
会計ソフトで家計簿を作るとクレジットカードを利用したときにその都度記録をしていくと、自分の翌月返済額がわかります。今月は使いすぎたなという実感が会計ソフトのデータ上から見ることができますので、資金コントロールが簡単になります。

決算書で家計簿管理をするデメリット

会計ソフトで家計簿を作るデメリットとしては、実際の現金残高と損益計算書が一致するわけではないということです。

例えば、現金払いを徹底している人であればこのような問題はありませんが、私はクレジットカード払いで生活費を支払っています。クレジットカードで支払った日に伝票記録をしますが、実際の引き落としは翌月です。ですので、損益計算書上の利益と貸借対照表状の資産の増え方が一致しないのです。
また、借金の返済は貸借対照表の動きになります。実際にお金が出ているのに、経費扱いではないので損益計算書には表示されません。ですので資金繰りを考える場合はちょっと注意が必要です。

会計知識は有力スキル

会計ソフトは便利ですが、簿記の知識がある程度必要になります。損益計算書と貸借対照表の関係の理解も必要になりますので、会計知識も必要になってきます。ですので、それに関する勉強をしないといけないのです。ただ、会計知識はビジネスを行う上でも持っていると武器になる知識です。簿記検定を受けましょうとは言いませんが、家計簿というお金の管理をきっかけに自己投資の意味も含めて勉強してみてはいかかでしょうか。