上司や先輩に対して過度な反論をしたり、敬語を使うことができないような部下や後輩はいないでしょうか。そのような部下・後輩を「生意気」だと思うでしょう。

上司や先輩からしたらストレスの原因以外の何物でもなく、そのような部下は上司からはもちろん、自然と同僚からも嫌われる傾向にあるのです。
今回は、生意気な部下の特徴と対処法を紹介していきます。

生意気な後輩の特徴

先輩の顔を潰す

いわゆる「メンツ」について考えない後輩のことです。

社会や組織には(大きい組織であればなおさら)上司・部下や先輩・後輩というような序列が存在します。それを無視して行動することが「先輩の顔を潰す」行為であり、たとえ無意識だとしても生意気な後輩と思われてしまいます。

上司や先輩からの信用がなくなる行為になってしまいます。

話を聞かない

上司の話を聞かないような部下も、生意気な部下と思われるでしょう。上司や先輩が話をしている時に、他の作業をしていたり、そっぽを向いたまま相槌だけ打っていたりしたら、話している方は腹も立つでしょう。

これは上司先輩関係なく、誰がやられても腹の立つ行為です。

先輩の話を聞くということは、先輩の顔を立てる行為にも、先輩への敬意を払うという行為にもつながります。

あからさまに話を聞かない姿勢を見せている場合、先輩に対しての礼儀をしっかりと理解しているとは思えないのです。

人の話を聞かない、聞いているような格好もしないような人にアドバイスやサポートをしようとは思えません。心の中で反感だけが育っていきます。

指示に従わない

職場ですので上司や先輩が行った指示を実行していくのですが、その指示通りに行動せずに自分なりのアレンジ(改悪)を加えようとしたり、最初から従う気が無いような態度を示す人も印象が良くありません。

ルールに従わずに自己流でやることがかっこいいと思っているのかわかりませんが、自己流のまま仕事を進め、自己流のまま間違いを犯し、職場や取引先に迷惑をかけてしまいます。

そのときに反省して態度を変えればいいのですが、とことん生意気な人はまるで周りが悪いかのようにして自己流を変えません。そのまま周囲からの評判は下がり、誰からも相手にされなくなります。

例えば、職場で奇抜な髪形をしてきた人がいるとします。職場の人はその髪型を直すように指示をしますが、当の本人はこの髪形が俺なのだと髪形を直すことを拒み続けます。

上司や先輩としてはこの厄介者を野放しにしておくわけにはいきません。取引先や関係者は口では言いませんが心の中で不満が募っていくわけですからね。

指摘やアドバイスを軽視する

新人の頃は初めての仕事ばかりでミスもしてしまいます。間違いがあると上司や先輩から指摘されたり、アドバイスを貰ったりするのですが、勘違いした生意気な人はこの指摘やアドバイスを「自分を馬鹿にしている」と考えてしまいます。

被害妄想甚だしいのですが、プライドだけは人並み以上に育つとせっかくのアドバイスも皮肉にしか聞こえなくなるようです。

そういう感情が先行してしまうので、肝心のアドバイスの内容が記憶に残らず、失敗から学ぶことができません。

敬意を払わない

先輩に対して敬意を払わないような人も、生意気な後輩の特徴です。

先輩に対して敬語で話したり、敬ったりすることは最低限の礼儀です。それができない人は、先輩から見て「礼儀のなってない奴だ」と思われても仕方がないことです。

後輩側でも教えてもらって当然、やってもらって当然と考えていると、指導してくれる上司や先輩に対して不遜な態度を取り出します。

生意気な後輩にも原因はありますが、この場合は先輩の方にも原因があることも多いです。

後輩から舐められてしまうと、敬語も使わなくなるし扱いもぞんざいになります。優しい先輩を目指すあまり、都合のいい人に成り下がってしまう。

特に出会って最初の頃は先輩・後輩間に壁があるくらいがちょうどいいです。この時に優しい先輩になろうとして、あれもこれもと手を焼いて面倒を見て、後輩のわがままを許していると「この先輩は優しいから適当に扱っても大丈夫」と思われてしまうのです。

すぐに反発して言い返す

言われたことを自分の中でかみ砕いて、素直に受け止めることができる人がいる一方で、自分の考えと違う意見が出るとすぐに噛み付く人がいます。

自分の意見を主張することは良いのですが、タイミングは慎重に選ばなくてはならないでしょう。

例えば、先輩の間違いを見つけたときに、あなたならどうやって伝えるでしょう?

見つけたらすぐに誰がそこにいようと、誰が聞いていようとすぐに指摘しますか?

問題が大きくならないようにこっそりと先輩に伝えますか?

自分はこうだと思う、自分はこう考えると伝えることは大切です。ですが、伝えられる相手はどのようなタイミングで話されるかで周囲からの目が変わります。

自分が多くの人の前で叱責されて嬉しい人はいません。それがわからないのか、あえてやっているのかはわかりませんが、先輩の顔を潰すような行動はしない方がいいですよね。

自分が先輩になったときにどう思うかを考えてみればわかると思います。

社会を甘く見ている

生意気な後輩は社会経験が乏しく、苦労や失敗をしてこないまま働き始めた可能性もあります。いままで順風満帆で生きてきたのですから、そりゃプライドも高くなりますよね。

甘やかされて生きてきた人であればなおさらです。

さぼり癖がある

さぼり癖がある後輩も、生意気な後輩と思われても仕方がありません。

結果を残して時間が余ってしまったのであればいざ知らず、自分がさぼっても誰かが何とかしてくれると考えている甘えがあるのであれば、それは許していいことではありません。

自分の中では要領よく手を抜いていると考えているのですが、その分の空いた穴は他の誰かが埋めなくてはならないのです。

さぼり癖があるということは、そのさぼった分の尻拭いを誰がするのかということを理解していない人が多いです。その尻拭いは、責任者である上司が行うので、上司からは「生意気な奴だな」と思われてしまいます。

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他人をなめている

他人をなめているとはどういうことかというと、例えば「見下している」。他には「甘く見ている」というような傾向がある人のことです。
それが自分の後輩の場合、先輩として恥ずかしくなるのではないでしょうか。

「あんな奴簡単に説得してみせる」
「いい年して大したことない」

など、自分に自信があるのかわかりませんが、相手に対してなめた態度や行動をすると、周囲の人は見ていないようで見ています。誰も口出ししないだけです。

他人をなめるという行為は、敬意を払うという、出来て当然のことが出来ないことになるので、それはいい印象を与えることはできません。

根拠のない自信がある

いままで順風満帆で生きてきた人は自分の中は自信で満ちています。それ自体は全く問題ありません。自信を持ちながら、努力や試行錯誤を重ねて仕事を覚えていけば、きっと必ず結果は出てくるでしょう。

しかし、生意気な人は自信はあるけれど、努力はせず、結果も出さないのです。そのくせ、口先は一人前だったり、逆に自分はこの程度ですからと異常なまでに謙遜します。

他人や世の中をなめていると思われても仕方がないのですが、これは自分の中に根拠のない自信があり、他人を見下してしまうように作用してしまっているのです。

生意気になってしまう原因

その人が生意気になってしまうには、それなりの原因があります。育ってきた環境の影響が大きいとは思いますが、上司や先輩の行動にも原因が無いとは言えないのではないでしょうか。

社会性が乏しく自分の立ち位置がわかっていない

学校を卒業してすぐに入社となると、世間知らずな一面があるはずです。

大学・高校でスポーツや上下関係がはっきりしている部活・サークルを経験している人であれば、社会人になっても社内の序列を考えながら仕事を進めることができます。
また、そういう経験が無くても、アルバイトなどで労働の経験がある人も誰かの指示に従うということには慣れていますから大きな問題行動を起こす可能性は低いでしょう。

ただ、そういった経験がない人の場合、人間関係は自分が好きな人とだけ関わることができるため、序列を考えるという環境がありません。生意気な後輩であっても、育ってきた環境によってそうなってしまったと考える方が自然なこともあります。そういう人は下記のような勘違いを起こしてしまうことがあります。

上司や先輩よりも自分の方が優秀と思っている

組織や集団での序列の存在を知らずに生きてきた人は、「自分にとって合う合わない」で人間を判断します。

自分の考えに合う、自分の考えに近い人が優秀な人であり、自分の考えに合わない人は無能な人または別世界の人と線引きしてしまいます。自分のモノサシしかないのですから、仕方ないと言えばそれまでなのですが、自分の方が優秀だと勘違いしてしまいます。

自分の方が優秀だと思っているわけですから、それが態度にも出てしまいます。

ずる賢く怠けることがかっこいいと考えている

要領良くこなすことを美徳とすることを勘違いしてしまった場合、ずる賢くさぼろうとするようになります。本人は要領よく仕事をしていると思っている可能性があるので、その点を見極めて指摘しなくてはならないでしょう。

仕事の効率化には確かに要領の良さが関係してきますが、「要領よく処理する=さぼること・手を抜くこと」ではありません。要領よくこなす意味を勘違いしてしまっているから、結果としてさぼっているにもかかわらず自分は要領がいいと思ってしまっているのです。

違いを理解させてあげればいいのです。

仕事の手抜かり部分を見つけてなぜその手順が必要なのかを指導すれば、たとえ生意気な後輩だったとしてもそれは理解してくれるはずです。

上司や先輩に盾突く自分に酔っている

思春期の中学生みたいな考え方ですが、自分より上の立場にいる人に反発することでアイデンティティを満たそうとする人がいます。

中学生の時とか、親や先生に反発する自分に酔っているような時期ありませんでしたか?

俺が正しくてあなたの間違いを指摘してあげているのだと勘違いしてしまっているのです。

こういう考えをしてしまっている人には圧倒的な実力差や努力量の差を見せつけると、素直に言うことを聞くことが多いです。生意気な人は他人を見下す傾向があるので、実際の力量の差を示せば素直になります。

扱いやすいですが、人によって態度を変える人物には変わりないので、人としての程度はたかが知れているのではありますがね

上司や先輩側が優しく接しすぎた

これは上司・部下、先輩・後輩という関係を築く前に優しく接しすぎて舐められてしまうことが原因です。

特に最初の最初は新人の方も初々しくて可愛いのですが、その時に相手のことを思いすぎて、あれもこれもと手伝いすぎてしまうと「この人は優しいから何でもやってくれる」と思われてしまいます。

最初は後輩の方も保護者のように慕ってくれるのですが、年齢が近いこともありだんだん馴れ馴れしくなってきます。

そのまま関係を続けていくと「都合のいい人」にランクダウンして生意気な後輩の完成です。

最初に優しくしていい先輩になろうという気持ちはよくわかります。しかし、なぜあなたが後輩に気に入ってもらおうと営業活動をする必要があるのでしょうか?

生意気な後輩への対処法

最初の段階で後輩との間に壁を作る

上下関係では互いの距離が近すぎると、序列が意味をなさなくなることがあります。

後輩との間に壁を作るように意識すると、なめられるようなことはなくなります。

最初に強く叱る

一番最初に強く怒ることで「この先輩は怖い人だ」という印象を植え付け、舐められないようにする方法です。

これは非常に効果的で、威圧感を出すことによって後輩の態度を制限することができます

叱る時も理不尽に怒るのは筋が違うので、何で叱るのかはその時のタイミングによります。ただ、最初からあれもこれもと優しくして、全部やってあげると、後輩の方も頼るを通り越して甘え始めます。それを最初の段階で予防するのです。

優しくて怒らない先輩よりも自分を伸ばしてくれる先輩に敬意を払うものです。優しくて怒らない先輩だと、先輩というよりも友達のような感覚に近くなってしまいますからね。

先輩として舐められないような仕事をする

まず、「先輩と思ってもらう」ことから始めるようにしましょう。

そうすることで、頼れる先輩だなと後輩から思われることで、生意気な態度は解消されます。

なめられないような仕事というと抽象的ですが、実力差を感じさせることが一番わかりやすいでしょう。

この先輩は仕事ができる。実績がある。知識量が凄い。と思わせると一目置かれますからね。

ただ、実力差を示すことが難しい時もあります。先輩だけど正直実力は・・・というときは

努力量の差を見せつけましょう。

仮に実績が出なくても、努力している姿勢や謙虚な姿勢を示していけば誰も馬鹿にしたりしません。馬鹿にされるなめられる原因は実績が出せないことだけではなく、努力や行動もしていないからでもあるのです。

先輩なだけで偉そうにしていると思われないためにも、実力差か努力量の差を見せつけましょう。

必要最小限のコミュニケーションで十分

その後輩に対してなんでもかんでも気にかけてあげてはいませんか?

もしかするとあなたが部下や後輩の進捗を心配しているのかもしれませんが、あまり過度にかかわると後輩も甘えが出てきます。この人に聞けばなんでも答えてくれるし、代わりにやってくれると思われると、辞書代わりに使われる「都合のいい人」に成り下がってしまいます。

心配なのはわかりますが、心を鬼にして「まずは自分で考えてみな」と突き放してみましょう。

そもそもすぐに答えを知りたがるようでは思考停止している証拠ですから、部下や後輩育成のためにも考えさせる・調べさせることは大切です。

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子どもをあやすように大人の対応をする

社会人になりたての人であれば、組織の雰囲気や序列を理解していないかもしれません。わからないだけであれば、罪ではありません。時間を掛けて教えていく必要があります。そうしているうちに相手も理解してくるでしょう。

上から目線で指示をしない

上から目線で指示をする上司は、部下から嫌われたり、尊敬されなかったりといいことはありません。そのような態度を自分がまず改めることによって、部下は自分についてくるのです。

舐められないことも大切ですが、「自分も相手も一人の人間である」ということを忘れてはいけません。

高圧的に出ると相手も委縮しますので、なめた態度を取ることはないでしょう。しかし、内心では何を考えているかわかりませんし、腹心背反でいざというときに従わないことだって出てきます。

自分が人徳のある対応をすれば、自然と相手も敬意を払ってくれるのです。

相手の言い分は最後まで聞く

生意気な後輩であっても彼(彼女)なりの言い分があるのでしょう。まずは、それを吐き出させることが重要です。

頭ごなしに否定することは簡単なのですが、それでは開いての腹の中に不満が溜まっていきます。一度全部聞いてしまってから、今後の対策を指示していきましょう。

それだけで、「この人は自分の話を聞いてくれる先輩だ」と思ってもらえますから、不遜な態度はとらなくなるでしょう。

いい点を褒めつつ冷静に問題点を伝える

生意気な後輩であればあるほど、いいところを見つけるのは大変です。既に嫌な奴だと思っているのですから、粗探しは出来ても、優れているところを探そうとする気力が湧いてきません。

指導したりアドバイスしたりするときに「○○はよく出来ているから、△△を気を付けて」という表現になると、柔らかい伝え方になります。

後輩の方が高圧的で生意気な態度を取っていたとしても、こちらばあくまで柔らかい態度を維持しましょう。

例えば、クレーム処理をイメージしてみましょう。

相手が怒りの感情で高圧的に来ていたとしても、落ち着いてゆったりとした表現で話をすると、相手も落ち着いてくるのです。

生意気な後輩が相手であっても、あいての波長に合わせないようにします。会話の主導権は自分で握るようにするのです。

生意気な後輩を潰す干すってどう?

他の後輩と相談する

問題行動を引き起こす人は少数であることが多いです。少数というよりも最初は一人だけなのですが、対処が遅れると徐々に問題行動する人が増えていきます。

実社会では同期の中に問題行動をする人がいると、他の同期も嫌な思いをすることが多いです。もし、あなたが先輩で生意気な後輩に対してトラブルを抱えている場合は、他の同期はどう思っているのかを探ってみましょう。

もし、同様の不満を持っているのであれば、同期を通じて伝えるようにお願いしてみましょう。

直接言われるよりも、第三者を通して言われる方が心理的作用が大きいことがあります。

「○○さんがこんなこと言ってたから気をつけろよ」って言ってもらえるだけで、生意気な行動が減る可能性もあります。これを直接言うと反発するような人でも、効果がありますよ。

あえて匙を投げる

匙を投げる(さじをなげる)というのは、その部下に対して諦めるということです。

もしかしたらそれが部下にとって刺激となって、変わるきっかけになるかもしれません。匙を投げてしまうと、部下・後輩は自分の力で対処しなくてはなりません。あなた自身も後輩と距離を置くのでストレスは少なくなるでしょう。

仕事なので完全に関係を断ち切ることはできませんが、生意気な後輩と接するときも他人行儀で話をして、距離を置かれていると相手に思わせるだけでも効果はありあす。

ただ、事前に自分がこういう行動を取ることを周囲の人にほのめかしておかないと、生意気な後輩が自分は被害者だと訴えたときに、フォローしてくれません。

周囲の人も生意気な後輩に対しては不満を持っていることが多いでしょうから、いざというときもあなたに味方をしてくれるはずです。

トラブルが続くようなら上司と相談して辞めてもらう

生意気な後輩だからと言っていじめてしまったり、心を潰すようなことをしてしまってはいけません。最近はパワハラやなんだが大きく社会的な問題になっています。

元々生意気な態度を取って、周囲の雰囲気を悪くしている張本人に対して何の制裁もできないのも、気分が晴れないと思います。でもそこはぐっと我慢して、冷静に行動しましょう。もし、ムカつくからと言って個人的に強く当たってしまうとあなたがパワハラで訴えられることだってあるのですから。

生意気な後輩の行動が目に余り、周囲にも迷惑をかけている状況が続くのであれば、上司と相談して組織的に対応することが賢明です。組織的な対応になれば、解雇とまではいかなくても配置転換などをしてくれる可能性は十分にあります。

おわりに

生意気な部下の特徴と、対処法を紹介しました。

生意気な部下がいると、仕事に対するストレスも余計に溜まってしまいます。しかも、本来なら溜める必要がないことに対してです。
これは仕事を行う上で改善していきたい点なので、生意気な部下を持った場合、早急に対処しにいったほうが、結局は自分のためになるのです。

後輩や部下を持つことがわかったら、最初の段階から気を付けるといいですね。